コラム

ペットロスで苦しむ人たちへ〜悲しみを恐れないで

「いつまでも泣かないで。そんなに泣いていると、天国の〇〇ちゃんが心配するよ」なんて、誰かから声をかけられたことはありませんか?

私自身、ペットロスに苦しんでいたとき、いろいろな方から励ましの言葉をいただきました。

やさしさで言ってくれているのはわかるのですが…

亡くなったあの子が心配するかもしれないとも思うのですが…

「泣くのは本当に良くないことなの?」「いつまでなら泣いていいの?」など、私には少し疑問に感じるところがありました。

悲しい、辛いという感情を押し殺すことは、本当にペットロス回復へとつながるのでしょうか?

目次

なぜペットをなくした悲しみを抑えてしまうのか?

「痛い思いをした」「嫌なことがあった」、それだけで泣いていた子ども時代。

大人になると「泣くこと」にセーブがかかり、気持ちを抑えることに慣れてしまい、悲しみにも無意識にフタをしてしまいがちです。

しかし、悲しみは誰もが自然に抱く感情。

家族の一員が亡くなったのですから、悲しくて当たり前なのです。

自分が悲しみの中にいると感じたら、その気持ちにどっぷり浸かって良いと、私は思います。悲しみを全身で感じて、思いがあふれるままに涙を流すことで、少しずつ「何か」が変わっていくはずです。それは、とても些細なことかもしれません。しかしその積み重ねこそ、ペットロス回復へつながっていくと思うのです。

「いい大人が泣くなんて恥ずかしい」「自分は男だし涙なんて」など、大人になるとどうしてもプライドが邪魔をすることもあるでしょう。

しかし、悲しいのにその感情にフタをしていると、その悲しみは胸の底にいつまでも残ったままです。

ペットロスから回復するためには、「悲しい」という感情に正面から向き合うことが第一。悲しみを表面へと押し出すことで、ようやくその感情に対処できるようになるのではないでしょうか。

ペットロス回復までのプロセス

ペットロス回復までには、大きく6つのプロセスがあるといわれています。

それぞれについて紹介するので、ご自身の感情と照らし合わせてみてください。

時には、直視したくないようなフラッシュバックがあるかもしれません。胸の奥が詰まり、涙がこぼれるかもしれません。

しかし、それで良いのです。心に溜まった感情を表に出すことは、ペットロス回復の第一歩になるのです。

あなたは今、どこにいますか?

(1)ターミナル期

ペットロスの恐怖は、時にペットが生きている間から始まることがあります。

たとえば余命宣告。

治癒できない病気を抱えたペットが、医師から「あと〇か月ですね」と告げられることもあるでしょう。

「そのとき」を迎えるための心の準備期間ですが、事実をスムーズに受け入れられるかというと、決してそうとは限りませんよね……。

時には、余命宣告を受けたペットを前に涙ばかり流れる……というケースもあるでしょう。

「この子と別れる日が来るなんて信じたくない」と、この時点で心を塞ぎ込んでしまう方も多いのです。

(2)死

最愛のペットとの別れ。

「息を引き取る瞬間まで側にいた」という方もいれば、「帰宅したらすでに亡くなっていた」と嘆く方もいます。

いずれにしても、ペットがもう動かないという事実は、心の準備をしていても受け入れがたいものがあるでしょう。

事故や突然死など、予期しないケースならなおさらです。「亡くなったって、本当に? だって今朝まで元気にしていたのに」など現実をうまく消化できなかったり、人によっては「これは悪い夢だ」と現実逃避にはしったりすることもあります。

(3)衝撃期

ペットの死は、飼い主に大きなダメージを及ぼします。

「死」という事実を前にしてパニックになり、号泣したり怒りの感情を周囲にぶつけたり、正常な思考状態ではいられなくなります。

悲しみのあまり、不眠や鬱などペットロスの症状が出始める方もいます。

(4)悲痛期

感情の制御はまだできなくても、「ペットが亡くなった」という事実を理解できるようになると、「悲痛期」へ移行します。

悲痛期には、あらゆるネガティブな感情が訪れます。

「もう会えないの?」という絶望、「私があのときにああしなかったから」という後悔、「神様、どうかあの子を生き返らせてもらえませんか」という祈り、「獣医師のせいだ!」という怒り、「私も一緒に死にたい」という衝動……

「衝撃期」よりも悲しみはさらに深くなりますが、ペットロスを重症化させないためには、この期間の過ごし方がポイントです。

悲痛期は、誰にでも訪れるものです。また、胸を引き裂くような数々の感情も。

この時期に悲しみにどっぷりと浸かり、思う存分に涙を流せれば、心のダメージが減るといわれています。

涙にはデトックス効果もあるので、言葉にできないほどつらい感情も、涙に溶かして流してください。

(5)回復期

さまざまな感情に支配された、「悲痛期」。

気持ちが落ち着いてくると、「回復期」へと移行します。

「あの子はもう亡くなった」ということを自分の中で受け入れて、過ぎた日々のことを懐かしむようになります。

「あの公園、あの子とよく行ったな」「あの子が好きだったおもちゃ」など、穏やかな気持ちで、少しずつ、少しずつ。

時に、思い出すたびに胸の奥がキュッとすることもあるでしょう。また、思わず涙がこぼれることもあるでしょう。

「回復期」といっても、心が完全に回復するまではまだまだ時間がかかります。誰もが「回復期」と「悲痛期」を交互に繰り返しながら、少しずつ前進していくのです。

(6)再生期

「あなたと会えて良かった、ありがとう」

そんな言葉をペットのお墓の前で言えるようになったら、「再生期」と言って良いでしょう。

ペットがいない日々にも慣れてきて、心から笑える日も増えてきて、日常を少しずつ取り戻せるようになります。

もちろん、悲しみがなくなったわけではありません。

ふとした瞬間に涙があふれることもあるでしょう。

しかし、「天国のペットの幸せを想える」いうのは、大きな進歩です。ペットロスの症状に苦しんでいた方も、だいぶ緩和されたのではないでしょうか。

巡り会えたことの奇跡、絆をつむげた幸せなど、穏やかな気持ちを胸にゆっくりと歩きだしていきましょう。

大いに悲しむこと、泣くこと

上記「悲痛期」は、ペットを大事にしてきた方なら、誰もが経験するものです。

この時期に、自分の感情に素直になることが、ペットロス回復の近道といわれています。

「泣かないで」「早く元気になって」「亡くなった子が心配するよ」などたくさんのエールが送られるかもしれません。

その言葉たちを額面どおりに受け止めると、「泣くのは悪いことなんだ」と思ってしまいますよね。

でも、本当は違います。

悲しむ姿を見せることは、恥ずかしいことでも、情けないことでもありません。

家族の一員が亡くなったのだから、つらいのは当たり前。

その感情にフタをせずに、たくさん泣いて、大いに悲しんだほうが、前にすすみやすくなるのです。

身近にペットとの死別を経験した方がいるなら、その方に話を聞いてもらうのも良いでしょう。

大事なのは、自分の感情をありのままに受け止めて、涙と一緒に流すこと。外へ吐き出すこと。

「死」という事実に向き合うのは、そして悲しみに向き合うのは、身を切られるようにつらいことです。でも、言葉にできない気持ちも、あの子への思いも、すべては涙へと溶けていくはず。

心の奥に溜まった感情は、「泣く」ことでデトックスしてください。何度も繰り返すうちに、必ず変化が訪れます。

「どん底」まで落ち込んだなら、あとは上がっていくだけなのですから。

死別の悲しみを乗り越えた先にあるもの

「ペットの死」という事実を受け入れ、心から笑える日も少しずつ戻ってきた……。

「天国で元気にしているかな」「見守っていてね」「どんな形でもいいから、必ずまた会おうね」など、穏やかな気持ちで振り返ることができたら、もうペットロスを乗り越えたということです。

手元に残っているのは、あなたとペットとのあたたかな絆。体はなくなっても、これからもずっと変わることはありません。

死別は悲しいですが、私のように人生が変わるきっかけになることもあります。

私は愛犬の死をきっかけに、「すべての動物に優しい人間になりたい。それが亡くなったあの子への供養になるはずだ」と考えて、このペット火葬業に就いたのです。

やさしい飼い主さんたちとの出会いを通して、この仕事が天職だと感じています。しかしあの子に巡り会わなければ、この仕事を考えたこともなかったでしょう。もしかしたら、あの子は私にとって「人生」そのものだったのかもしれませんね……。

死別はつらいですが、乗り越えた先にはきっとポジティブな変化が待っているはずです。

三歩すすんで二歩下がりながら、ボロボロの心を支えながら、1cmでも、1mmでも、前へ。

ペットロスから回復するための近道は、悲しみやつらさを押し殺すことではありません。

いくらでも泣いて良いのです。気持ちを吐き出して良いのです。

そう簡単に気持ちは晴れないかもしれません。しかし何日も何か月も繰り返すうちに、「何か」が必ず変わっていくはずだと、私は思うのです。

まとめ

ペットロスから回復するためには、「悲しい」「つらい」といった自分の気持ちに正直になることが大切です。

泣くことは、悪いことではありません。

泣くことにこそ、次のステージへのヒントが隠されているのです。

悲しみにフタをしないで、目を背けないで……。 たくさん泣いて、吐き出して、一歩ずつゆっくりすすんでいきましょう。

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