コラム

「犬の十戒」から読む、ペットからの愛と信頼、そして私の後悔

「犬の十戒」をご存知ですか?

「犬の十戒」とは、犬の視点から、“飼い主さんに伝えたいこと”を記したものです。

作者は不明ですが、健気なメッセージに多くの飼い主さんが共感。あらゆる言語に訳され、今では世界中の飼い主さんの“心構え”となっています。

ペット火葬業を営んでいる私は、今までに多くのペットを見送ってきました。

「生きものだから、いつかは別れが来るのは知っている。でも気持ちが追い付かない」と、

動かないペットを前に涙を流すご家族の姿に、いつも胸が締め付けられます。

ペットと紡いできた、心と心のやり取り。それは世界に一つの、かけがえのない絆です。

悔やんでいることが1つ2つあったとしても、涙を流すほどの関係性を築けていたのなら、ペットが幸せでなかったはずはないでしょう。

「犬の十戒」は、犬だけではなくすべての動物からのメッセージ。ペットを信じて、たくさんの愛情を注いでいれば、ペットはそれだけで幸せなのです。

目を閉じるその時まで。

そして魂が天に昇ってからも……。

目次

「犬の十戒」が教えてくれる、ペットを迎えるときの心構え

【あなたには学校もあるし友達もいます。でも、私にはあなたしかいません。】

家で良い子にお留守番するペット。ペットはあなたの帰りをひたすら待っています。

あなたが玄関を開ければ、ペットはうれしい気持ちでいっぱい。遊ぼう遊ぼう!と寄り添ってくることもあるでしょう。

しかし人間はやることがいっぱい。宿題、持ち帰ってきた仕事、家事など、じっくりペットと向き合う時間が取れないことも……。もちろん、それは仕方ないことなのですが、毎回だとペットがストレスを抱えてしまうのでご注意ください。

ペットには心があります。あなたをずっと待っています。ペットを迎えるときには、「ペットに割ける時間があるか」を確認してください。

コロナ禍の昨今、ペットの需要は増加傾向にあります。しかし同時に、飼育放棄率も右肩上がりです。「テレワークが解除された」「外出規制がなくなった」などの理由で、“もう飼えない”とならないかどうか? 「思ったより世話が大変」と見捨てないか?

ペットを幸せにするため、そして飼い主さん自身も幸せでいるため、命を預かる責任と覚悟をどうぞお忘れなく。

「犬の十戒」が教えてくれる、ペットを見送るときの心構え

【私が死ぬとき、お願いです。そばにいてください。そして、どうか覚えていてください。私がずっとあなたを愛していたことを。】

ペットは、飼い主さんと過ごすのが大好き。

飼い主さんや家族など、大好きな人たちに見守られながら旅立てば、安心して天国へ行けるでしょう。

ペットとの別れは、飼い主さんにとって大きなダメージになります。

でも、「つらいから見ていられない」と決してその場を離れないでください。あなたがそばにいるだけで、ペットは安心して目を閉じられるのです。

最後まで、やさしくなでながら、やさしい言葉をかけ続けてあげましょう。

あなたの手のぬくもりと穏やかな声は、ペットにきちんと伝わります。言葉は話せなくても、ずっと心でつながっています。

かけがえのない命に「ありがとう」。そして、「いつまでも愛しているよ」と、変わらない思いも伝えてあげてください。

ペットを飼うということ ~私と愛犬のエピソード~

私は現在犬を2匹飼っています。トイプードルと黒柴で、どちらも良きパートナー。私は彼らに毎日たくさんの愛情を注いでいますが、実は、それは懺悔の気持ちを払拭するためでもあるのです。

小学校3年生の頃、実家で飼っていた犬のリリー。私たち家族は、リリーにひどい扱いをしていました……。私はそのことを、今でも悔やんでいます。

きっかけは、近所からの譲渡。生後間もない白い女の子で、私はすぐに仲良くなりました。

最初は室内飼いでした。しかし誰も犬の飼育について知識がなかったので、トイレを失敗するたびに母はリリーを叩きました。私もどうしつければ良いのかわからず、リリーの悲しそうな声を聞くしかありませんでした。

まもなくリリーは部屋から追い出され、ベランダで生活するようになります。ベランダなんて、ほとんど人は来ません。だから時折私や母が洗濯物を干しに窓を開けると、リリーはとてもうれしそうに尻尾を振りました。母が鼻歌を歌うと、リリーも楽しそうに歌いました。

その後リリーは、「人の出入りがあるほうが寂しくないだろう」と、一階のトイレ前の庭に移動させられます。一階にはお店が入っていました。しかしあるとき、リリーは他人に大怪我をさせてしまいます。酔った人がリリーに手を差し出し、それを噛んでしまったのです。

リリーには“邪魔者”のレッテルが貼られました。遠い作業場へ移動させられて、そこで何年も暮らしました。ほとんど誰も世話をしてくれません。散歩に連れて行ってくれる人もいません。家の中でまた一緒に暮らしたかったのですが、小学生の私にはどうすることもできず……。

私はリリーに会いたくて、たまにミルクをあげに行きました。私の姿を見つけると、いつも尻尾を振って喜んでくれます。おいしそうにミルクを飲むリリーを見るのが、私の幸せでした。

そのまま何年も時が過ぎ、リリーは13歳で虹の橋を渡りました。

リリーの死を知った私は、どうしたら良いかわからず、泣きじゃくりながら人間の斎場に電話をかけました。「引き取るだけなら入口に置いて帰って」と言われたので、段ボールに入れたリリーを入口に残して、斎場を後にしました。それがリリーとの最後でした。

リリーが生まれてから、リリーの“家族”は私たちだけでした。

しかし私たちは、リリーを幸せにできたとは到底思えません。

どんどん遠ざけて、邪魔者のように扱って……

それでもリリーは、健気に私たちをずっと待っていてくれました。尻尾がちぎれそうなほどの愛情で、私や家族を信じてくれていたのです。

母の横で歌う、リリーの楽しそうな声。あれから25年が経ちますが、リリーの声や姿を1日も忘れる日はありません。

リリーの死後「二度と動物を飼わない」と決めていましたが、運命的な出会いに導かれ、今はトイプードルと黒柴が家族になっています。

それぞれの犬と初めて会ったとき、私の目の前には虹が出ていました。もしかしたらそれは、“リリーの生まれ変わりだよ”という、虹の橋からのメッセージだったのかもしれません。

私は今の子たちに、命を懸けて向き合うと決めました。悩みに悩みましたが、「二度と動物を飼わない」と自分に十字架を課すよりも、「リリーのぶんまで幸せにする」と新しい命に前向きに関わったほうが、リリーが喜ぶのではないかと思ったのです。

リリーは、私のことを憎んでいるかもしれません。だからこそ、すべての動物に優しくすることで、リリーに贖罪したいのです。

ペットは、無条件の愛情を注いでくれる存在です。

こちらがどのような扱いをしても、変わらず家族のことを愛し、信頼してくれます。

「犬の十戒」は、犬に限らず、すべてのペットからのメッセージ。

最後の最後まで、どうかペットを大切に。

【私を信じてください。それだけで私は幸せです。】

まとめ

「犬の十戒」は、ペットを飼っている、あるいは飼おうとしている方の“心構え”です。

命を迎えるということは、重みがあり、責任と覚悟を伴うもの。

私は過去に、安易な飼育で犬に不幸な思いをさせてしまいました。だからこそ、今のペットたちは必ず幸せにすると誓っています。

人間は広い世界で生きていて、いろいろやることもあります。しかし、ペットには人間しかいないのです。

私にとって、「犬の十戒」は教本のようなもの。

ペットにとって最高の飼い主になれるよう、心のメッセージをしっかり受け止めていきます。

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